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「永(なが)」2014年 現俳新人賞応募作品 [俳句archive]

久しぶりにブログ更新。

今年も、現代俳句協会新人賞に応募した。その選後評が、今日届いた「現代俳句」10月号に載っていた。

私の作品は今回も受賞を逃したが、第一投票では最高得点を獲得していた。これは初めてのことで、正直にとても嬉しかった。いつも、一人か二人の審査員が挙げてくれるだけで終わっていたから。

少し前、ツイッターで「句集を出した者が新人賞に応募するのはどうか」という話題を目にした。私にも該当すると思ったが、けど自分は何か公な評価を獲得したわけではないし、実は句集を出してもずっと新人気分のままでいて、自分はいまだ「誰かが面白いね、といって目に留めてはくれるが荒削りで安定しない創り手」だと思っていたのだ。

しかし、今回の選評をみると「安定した力量(だが弱い作品)」とある。

このことからすると、自分はもしかするとそれこそ、先のツイッターの話題で言うような「新人」だと思われないのかもしれない。新人の定義もいろいろあると思うけれど。新人らしい新人、ではない??

そうだとしても、やっぱり賞に応募するのは楽しい。作品をまとめていくのが、苦しいけど楽しいのだ。それに、賞というものも獲ってみたい。

 

2014年現代俳句協会新人賞応募作品、下に掲載します。みてください。著作権は放棄しません、と、誰かの真似をして申し上げておきます。

 

「永(なが)」  佐々木貴子

 

あけぼのの地をぶつぶつと蕗の薹

夕桜少女らは火を舐りあう

熱の子のしずかなひかり花の雨

蕊ふるや魚のくちびる仄紅き

夕雲に蝶の一重ののこりたる

一斉に玻璃のくだけて春の光

耳にある水位白木蓮の刻

木蓮の一室ごとの水死かな

金木犀千の咀嚼の夜宙なり

四月八日いろんなかたちの空がある

木蓮の夜の兵士のほろほろと

マーガレット無数の宙を病みいたる

人体の渦のなまめきたる白夜

骨壺の重心を透く夏の海

青葉病む風の十指の遊びかな

むらさきを繙いており晩夏光

水蜜桃眉はひらりと泳ぎだす

蓬髪の劫に靡ける天の川

てのひらに吹く満月の汚れ水

百億の骨片はしる星月夜

曼珠沙華あしゆびは火をなぞりつつ

ほろほろと鱗こぼして大花野

木枯や老女は車いすを駆り

胞衣ふかく埋もれており冬林檎

じわりじわり臍をしみだす雪の闇

寒の海に光はおちておるまいか

雪ふかき産道くだる一つ火よ

こなゆきや砂金は影をうばわれて

黄泉つ火の人にまぎれし雪夜かな

あおぞらの永(なが)をうきつづける針よ

 

 

 

御感想など聞かせてください。 佐々木貴子拝

 

 


現俳協新人賞落選拾遺句集2012「けだものら」 [俳句archive]

けだものら



獣の襞を露わに薔薇咲けり


紫陽花の半陰陽が海の丘


白濁の未通女ら跨ぐあいの風


妄執の野薔薇蔓薔薇王冠燃え


炎熱の腹をひきずる野良犬よ


鞄隠す裏切者の夕焼に


わたしよりさきにしぬひと蘭燃える


月赤しきっと亜米利加がえりだろう


鬱々と林檎の陰を刳り貫けり


燗酒や地球はずっと浮かんでいる


寒気団外反母趾を呑みこみぬ


初雪の生まれるまでの明日かな


街道に溢るる雪蛍の孵化


母乳かな雪しんしんと降りだせり


生ごみの臭いだ静かな雪のにおい


大寒や脛毛直立不動


雪しずる光ゲに無数の魚湧けり


それぞれの太もも吹雪く女の宴


巡礼は排気口汽笛雪小止み


幻想に会釈している冬帽子


雪催い小さくなるという病


濡れ雪の歯抜けの街の影法師


轟音を吸いあげている雪解光


春雪やサイコ・ドクター飄飄たり


三月の朝陽の分の利潤かな


しろかねの有糸分裂春の水


眸に春の水を焚きたる諍い女


オレンジの脳漿とばす家電欄


生首を残しふらここ去りにけり


鳴動の萬綠へ無垢脱ぎ捨てよ






単なるナルシシズムの一言なのかもしれないが、私はこの作品集は、好きだ。
だからこそナルシシズムかも。

一番腑に落ちないのは最後。
焦ってあつらえただけある・・・(笑)

いくつか、非常に優秀な先生に見ていただいた作品もあり、
ここに名は挙げませんが、
ほんとうに、ほんとうに、感謝





現俳協新人賞落選拾遺句集2011「竜の指」 [俳句archive]

竜の指



水上の球体となり夏神楽


雨粒を光らせ毛虫静かなり


監査人濃霧の中を帰りゆく


脳みその北半球へ冷やっこ


明方の霧笛石碑となっており


点描の満月ふっと吹き消しぬ


惑星にたまの自由を良夜かな


満月へ車ぎっしり詰まりおり


月曜は鴉の翼を借り枯野


冬ざれに寝に帰ります車輌基地


枯枝に幾億の昼絡まりぬ


冬帝の踏み鳴らす夜や壊したき


皸のいつかはきっと竜の指


くちびるの凍てたる傷か月食か


和三盆さらさらほどけ冬晴るる


ホルスタインの乳房ふくらみ雪曇


この世には煉獄降りて雪狂う


風船の男をぷっと刺す師走


先端に光溜まりし氷柱かな


初東風や滔々赤き川渡る


雪解雫地球はすこしずつ乾く


闘神の肉づきはじむ東風の中


蒼に碧目蓋にかさね鳥曇


鳥帰る空に油のぬめりかな


剛健の湯呑みかきんと春の音


オレンジの剥がるる皮の叫びかな


金縷梅の幹に血痕こびりつく


友の掌に虚数解ある朧かな


駈けよ若葉を太陽の足で


転輪王の血の一滴夕の凪






2011年度の若書き。いやあ、いまみるといっぱい。はずかしいですねえ。






雑詠  2011年12月 [俳句archive]

 

佐々木貴子 詠 


  凍星にふれれば指輪の音がするよ


  金曜のチキンドリアの小春かな


  泪美し師走の街の灯りゆく


  着水は静かに匂う雪の華


  ゆつくりと扇おろせり冬の月


  響きあう玉よ銀雪降りくれば


  雪雲へ向かう真っ赤な尾翼かな


  百億の雪やたちまち青に帰す


  よき夢もかなしき夢も雪雪雪


  しずかな雪おやすみなさい青い鳥


  珈琲の香を宙におき雪晴るる


  崩雪や光濃くなり森閑と


  うつくしい言葉と指で冬木立


  極月のリセット願望バルス詠む


  淡々と日々はながるる冬の雲


  雪雲の黒をつきぬけ澄んだ青



  ありがとうは声にならない雪飛沫





ツイッター俳句 2011年9月 [俳句archive]

2011年9月   佐々木 貴子 on twitter  自選句 



   数字数字分類カテゴライズ野分

       
   二進法の闇を超えゆく野分かな

     
   台風をうすく吸いこみたる地球

       
   斑点の生れては消えて秋の雨


   銅像の手は秋霖に生ぬるき


   透明な皮膚に花野を描きたる


   秋澄みの頬に刷きたる陽のいろ


   眼前に大海のあり鷹降り来


   秋晴や百の眼の透きとおる

 
   雨音が身の底辺を打ちにけり


   金色の秋の産毛で膝にのらん


   散らかった書斎の窓の山粧う




   なによりも会いたし秋の陽になって



   

   白秋の横顔淡くなってゆく


   宵闇や白き手鞠のおとこのこ


   白秋の嘘つくときの声のいろ


   きらきらと飴の融けゆく秋の川


  
   無色無音の空に会いたる九月尽



   



ツイッター俳句 2011年8月 [俳句archive]

2011年8月   佐々木 貴子 on twitter  自選句 



     あわれな軆なげだしており星月夜

     太陽の剣を揺らして夏野かな

     秋暁黄泉をするりと脱皮して 

     たくさんの命の粒子秋朝日 

     夏逝ける光目蓋に溢れくる 
     the summer has gone / my eyelids were filled / infinite energy light

     夏の都へ拝啓冬の国より恋  

     I love you, the land of summer
             / faraway from you / the land of queen snow


     満月は左頬より失せてゆく
     full moon in the purple / fading out / from left cheek


     愛情の所在地810番地

  
     突然に優しき目して小向日葵   
     Suddenly I met / gently opened eyes / little sunflowers standing


     浴槽で女が死んだ火蛾の夢

 
     IDをお返しします夜長星
     stars in Autumn / no need ID / I'm the one

     母胎にて胡蝶の空を蹴っている  
     in mothers womb / kick the sky / butterfly flying

     塵芥ひとつところへ星月夜 
     dust and dirty / absorbed in the cosmos / starry night


     螺旋状に続く平和に鳥啼けり

     新涼の父に踏まるるアルミ缶

     叶いそうにないとおもえば退く波よ
  
     閂の解かれて秋の雨を聴く

     欠乏を貪り食いし夜長かな
 
     むくむくと慈母育ちゆく大花野
   
     黒髪の生を浮かべて秋の水
 
     肋骨と乳房と美しき秋灯
    
     静脈を浮き立たせたる秋トマト 

  

     アルペジオアルペジオある秋の雨

    

     売春の乳房垂れたるダチュラかな 




     黒髪の一本の生秋湯舟  




Now we're going to winter

ツイッター俳句 2011年7月 [俳句archive]

2011年7月   佐々木 貴子 on twitter  自選句 



     炎は蒼く左へ折れて青田道



     P1000042.JPG



     佞武多太鼓うすく暮れゆきたる遠嶺 




     ミニ蘭のひらくは宇宙向いており

     大人にはなれない夏の海の碧

     心音を分け与えたり夏の月

     白南風の光るアスファルトをあるく
 
     あじさいや父の雑音母の蒼
  
     夏空の無防備な臍みえちゃった

     囚われており髪洗うかみあらう

     ひこうきの腹は真横に大夏嶺 

     静脈の縦横に青夏料理 

     鳳凰の自在な翼鰯雲

     今日よりも青いあおぞら熱帯魚

     夏の月濁り振り払いて高き

     音のない帰路夏星が息をする
 
     終電の鼓動濡れおり夏の星
 
     火蛾高く飛びゆく音の無い黒へ

     思慮深き傾斜でありし夏帽子 

     焼けた腕に翡翠泪のようであり 




     あすからはあなたがいない帚星


                  

 to be continued....maybe.








ツイッター俳句 2011年 4,5,6月 [俳句archive]

2011年4~6月   佐々木 貴子 on twitter  自選句 


  4月


     夜桜にやわらかき手の無数かな 
     thousands of hands / milions of smiles / cherry blossoms by night

    
     闇舐めて赤信号へ辿り着く 



     パラボラアンテナ新葉は何を受信する
     fresh leave at top / upward like a satelite dish / receive sun energy


     春燈のすべてすべてが生をなす
 
     蕗の薹笑顔はひとつずつ違う
  
     緑児のやわらかきかな蕗の薹

     ムシャクシャを丸め投げたらポンと花




  5月


     あおぞらはうまれかわるよ雪柳  



  6月


     スパイスを噛みあて若葉風となる


     はつなつの目覚まし蒼き風の音


     万緑や男独りがうつむいて
 
     なまなまと朱ひるがえし夏神楽

     青葉騒自分を消してスーツ着て


    
     陽だまりの犬居し場所に薔薇咲きぬ
 

     
     髪洗う滴つぎつぎ見送りぬ

 
     鬱金ライスすこし夏痩せたる手首


     塗りつぶす星の隅より河鹿鳴く


     夏至の日の道じぐざぐと折りたたむ





ツイッター俳句 2011年3月 [俳句archive]

2011年3月   佐々木 貴子 on twitter  自選句 



        薄ピンクふわりと巻いて春の雪

        ドキドキと春待つ心地仔犬抱く 

        ぼく犬の赤ちゃん春はあそぶんだ 

        手作りの母のひいなは呑気顔 

        泣いた子の拳ほどけて桃の花

  
        啓蟄のタイムラインの増殖す 




        一本の道拓きゆく女雛かな

 
        淡雪の千里の空のあなたかな




     3.11 Earth Quake


        春闇のまことの黒は大なる圓 

        下萌のほのか真っ新なる大地 

        毒塵の烈の土壌へ慈雨よ来よ 


        
        水温み病い滞留していたる 

        水温みプリンは匙を拒まざる


 
        瓦礫積む頭上まばゆく鳥交る

        土塊のあなた愛しむ彼岸波



        貼り付いた春の満月風動く
 
 
        盛り上がる土のぬくもり木の実植う


 
        春分の明日へ転がるタイヤかな



        春夕焼溶け始めたり車駆る
        car is rushing / hate and sorrow / melting spring sunset  
   


        陽のいろは黄のいろ貴のいろ三月尽
        bright yellow sunshine / noble sounds ringing / March has gone





ツイッター俳句 2011年2月 [俳句archive]

2011年2月   佐々木 貴子 on twitter  自選句 




      サイダーや 涙が出る 天井を見上げ



      灌木にびっしり実る寒雀 




      東京行青森帰
 
         大川の藤色ほのか春燈 
 
         春燈や劇画タッチの雷門

         大門や整列したる白き光
 
         一室の春灯風のターミナル

         ガクンと揺れバス春闇へ漕ぎ出しぬ 

         四十人分の春眠揺られけり 

         水底やカーテン越しの春の光
 
         残雪の岩木は御空よりも青

         日常の汚れ雪なる地をそぞろ




      掃除機の恋はうるさし竈猫

      春淡き雀色時日暮時

      啄んでください早春賦の我を 

      病み明けの課長のデスク日永かな

      大川は黄昏誰そ彼恋の猫




      口中に信ずる雪の無く空ろ 


  
      コンクリの肌あらわれて若き春 



 
      三匹の女豹社食の春うらら
 
      ダンと断つ菠薐草の断末魔

 



      銀色の風がポストでふるえていた



      金の匙紅茶に春陽遊ばせて
 




      のそのそとパンダを追って黄沙来ぬ

      水温む街や醜く羽化始む
 
      雨水かな連山甘き光成して
 

      南国の瓦礫を照らせよ春の星 

      雪解滴カルテは走り書きされて

      四〇〇円也桃の枝を抱き帰る 



 
      洗濯物はらりと畳む二月尽  







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