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岡村知昭句集「然るべく」 [俳句鑑賞]

こんにちは。佐々木貴子です。

ブログアップは久しぶり…もしかして「死んだ」と思ってましたか。

ほっほっほ、生きてます。

 

今日は岡村知昭さんの第一句集「然るべく」についてご紹介します。

まず、個人的にその詩情好きだな、という句群がこちら。



 

  あわゆきぞ人魚のおはなしの途中


朝顔の藍に飼われる鬼子かな


八月の雨より国のおびただし


しゃべれなくなり冬空を熱気球


青銅の犀と暮らせば春日向


卒業式中止の水玉の空よ



 


また、上掲のような私の好み如何に関わらず、岡村さんの句集には独特の個性のあるように感じました。

その個性とはまず一つは、「俗性」をさらっと取り入れてくるところです。

言葉の選び方をみていると自然と感じられます。

単に客観的事実・社会的事象という俗性だけでなく、「個人の・人間的な・主観の」要素もさらっと入れて、ひょうひょうとした語り口の中にユーモアを描くような。

言葉のすりかわりの意外性の中に人間生活と、内的世界を彷彿とさせるような。



 

 おにぎりやかつての村の梅匂う

  ぜんぶ賛成ひなあられこぼしつつ

  年上のすべり台なり夕桜

  砂浜に聖子少々麦の秋

  校倉のかたつむりなら私なら

  八月が入りきらない母屋かな

  鎮魂がパンティストッキング干す

  液状化恐れぬベビーカーたちよ

  雨音や斜塔を妻といたしたく

  男尊女卑をふりかけにまで言われたり

  ふたことめには倫敦の寒の鯉

  ついに泣き三連休の交差点

  つちふれり大声さらに涙声

  朝風呂や四月一日付解雇

  晩鐘よ即戦力のはなびらよ



 

岡村さんの句は、とても軽妙なリズムがあります。

集中、ほとんどの句は歯切れの良い定型を刻んでおり、漢字熟語の取り入れ方も音感・リズムの点で巧みと感じるものです。(ご本人は無意識に選んでいらっしゃるかもしれませんが)

軽妙だからこそ、逆に内的世界が生きてくるということも、あるものなのですよね。


次回作を楽しみにしております。

ご恵投、誠にありがとうございました。



 


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