So-net無料ブログ作成

星流る夏の終わりに  2010 [俳句エッセイ]

昨日、生まれて初めて流れ星を見ました。


夜、眠たさのピークをやりすごしてしまい、
眠れなくて苦しく、寝室をのろのろと出、居間へ降りて行くと
母も同じく眠れずに起きていた。


ついさっき、母は家の外へ星を見に行ったそうな。


ぼんやりと居間に突っ立っている私を見て
  おまえも眠れないの  と呟いた後 

「今日はとっても星が綺麗よ。すごいよ」

と、そそのかすようなことを言うので、私もその気になり
母とともに外へ出、夜空を見上げた。
2人ともパジャマ姿の、深夜の1時である。


果たして、黒い空間の奥底に数多の星々が透けて見えるようあった。


くっきりと清かに白く光るもの、ぼんやりと存在だけ感じさせるもの。
濃紺の空の遠くまで見はるかせばするほど多くの星粒が見えそうな。


私と母はもっとよく見たくなり、近所の学校を取り囲む 田んぼ道へ行ってみることにした。

深夜の1時にである。
歩くのが億劫だったので車で行くことにしたが、
こんな深夜に学校付近の、人気も明かりも少ない田んぼ道に
車が停まっているのをもし誰かが見たら
完全に不審者扱いだろうね、などと言いながらも全く緊張感がない。



田んぼの側道に車を停め
真っ暗な道に降り立ち
すぐさま期待を込めて
見上げてみる。


最初は目が慣れなくてさほど見えず、
「家の近くの方がよく見えたね」
など、さもがっかりしたようなことを言っていたが、
次第に星影がふつふつと浮き出し見えてくるようになった。



ふたりして今日は全き 星月夜   貴子



もっともっと  と貪欲に見ようとするが
夜空の底を見つくしたのか、
どうも今日は、今見ている以上の星月夜に会えそうもないと察せられてき、
  さ 家に帰ろう
と踝を返したその時


遥か、街の明かりが仄めいている東方に
一筋ツイーと光の粒が流れ
私はびっくりして声をあげた。


慌てて声を呑みこんで
今見たものを母に問うてみると
  それはきっと流れ星だろう  という。
思いのほか速くて、3回願い事を唱える暇はなかったろうと。


かくして、私は生まれて初めて星流るるのを見ました。
まるでスクリーンのようにフラットに感じていた夜空でしたが
こうしてみると確かに星って生き物なのだと思った。


流れ星を題材に何点かの俳句をつくってきた私でしたが

 
  流れ星地球の真中射抜いたり     貴子

  流れ星わたしの海へぽちゃり落つ   貴子    




などと、空想とイメージの中で流れ星を描いていたけれど

実際目にしてみるとそれは存外

何も悲しくも苦しくもないのにツーと一筋涙がこぼれてしまった

その涙の粒の後味に似ていたように思います。


   ひと粒の涙はかろし流れ星      貴子


本当に、とても、佳い夜でした。

                                2010年8月20日  
nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 2

津野 利行

いい時間を過ごされたようですね。
読んだこちらもいい気持ちにさせてもらうような感じでした。
というか、うらやましい!

俳句もいい感じで挟まっていますね。
流れ星わたしの海へぽちゃり落つ   貴子
が、好きです。
by 津野 利行 (2011-07-17 08:16) 

sasakitakako

ありがとうございます。

去年の思い出です。(^^)

なーがーれーぼーし ☆彡
by sasakitakako (2011-07-17 21:53) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。